調理学1 [2]

1 水浸漬中の米の吸収率は,もち米では20~25%,うるち米では30~40%程度で,吸水量の70~80%は30分以内に吸水される.
2 もち米を水に2時間浸漬し,蒸し上げたこわ飯の炊き上がり重量は米重量の約3倍となる.
3 こわ飯の炊き上がり重量は,もち米重量の2.2~2.3倍である.
4 しょうゆは米粒の吸水および炊飯中の泡立ちを抑制するので,味付け飯は芯ができやす<焦げ付きやすい.
5 味付け飯の塩分添加量は米重量の1.5%(食塩換算)を基準とする.これは炊き上がり飯の食塩濃度0.7%に相当する.
6 すし飯の食酢の量は米の容積の約10%である.食酢の量を減じた加水量で炊き,蒸らし時間は通常の炊飯の約1/2とする.
7 全粥を炊くときの加水量は,米容量の約5倍である.
8 炒め飯の油脂の量は,飯重量の約15%である.
9 しん粉に白玉粉を混ぜるとだんごは硬さを増し,かたくり粉を混ぜると生地が軟らかくなる.
10 だんごに砂糖を加えると,生地の老化を遅らせ,日もちがよくなる.
11 小麦粉に炭酸水素ナトリウム(重曹)を加えて膨化させると,生地にアルカリ臭や味が残り,小麦粉中のフラボノイド色素を黄色化する.
12 スポンジケーキの膨化は,イーストの糖分解によって発生する炭酸ガスによるものである.
13 パイクラストの薄層が浮き上がるのは,生地に含まれている水の蒸気圧によるもので,脂肪は層の浮き上がりを助ける.
14 グルテンはドウをつくっていく過程で形成されるもので,食塩の添加はドウのコシを強くし,寝かせておくと伸びやすくなる.
15 砂糖の添加は,グルテンの形成で促進させる.
16 グルテンの形成は,低温で促進される.
17 ドウをねかす時間を長<するほど、伸張抵抗が減少する.
18 ホワイトソースはルーに牛乳を加えて加熱するが,小麦でん粉は粘化温度が低いので調製しやすい.
19 粉ふきいもは,加熱によりじゃがいもの細胞内のでん粉粒子が膨潤糊化し,細胞間のペクチン質が流動化して,細胞が分離しやすくなる状態を利用した調理である.
20 さつまいもを用いた天ぷらの衣や蒸しパンに炭酸水素ナトリウム(重曹)を加えると緑色になることがある.クロロゲン酸がアルカリ性で緑変するためである.
21 さつまいもの中のβ-アミラーゼは,活性が強く失活温度も高いので,温度上昇の速い電子レンジで加熱したいもは,石焼いもよりも甘味が強い.
22 マッシュポテトは熱いうちに摩砕する必要がある.冷えるとペクチンが粘性を増し,裏ごしがしにくくなる.
23 ブラマンジェにはゲル形成能の良いじゃがいもでん粉が用いられる.
24 くず桜の皮をつくるには,くずでん粉を完全に糊化させ,急冷した後包む.
25 ごま豆腐の弾力あるテクスチャーを得るには,十分な加熱時間が必要で,攪拌程度は関係がない.
26 溜菜に食酢を用いる場合,pHが3.5以下になると加熱してもでん粉は糊化しない.
27 調理では白色ルウ調製時に,でんぷんの一部がデキストリン化し,ソースの粘度は上昇する.
28 じゃがいもでん粉糊液は、食塩添加で粘度が上昇する。
29 でん粉の老化には水分含量の影響が大きく,10~15%以下ではほとんど老化しないが,30~60%の範囲で老化しやすい.
30 小豆は種皮や組織が硬いので,5~6時間水に浸漬してから加熱操作を行う.
31 あずきは表皮より内部の子葉の吸水が大きく,その膨潤圧により表皮が避けて,胴切れを起こしやすい.
32 あずきのゆで汁に含まれるサポニンなどのアク成分を除く目的で,沸とう後のゆで汁を捨てることを渋切りという.
33 豆に重曹を加えて煮ると,ビタミンBlが分解される.